「イラストの値段の決め方が分からず、依頼を受けるたびに悩んでしまう…」そんな経験はありませんか。
時間や労力に見合わない報酬になったり、依頼者とトラブルになるリスクもあるため、適切な価格設定はイラスト制作において非常に重要です。
この記事では、イラストの値段や決め方に迷う方へ向けて、押さえておくべきポイントや失敗しないコツをわかりやすく解説します。
自分のイラストにふさわしい価格が分からない、値段の決め方に自信が持てないという方は、ぜひ参考にしてください。
読み進めることで、あなたらしい納得のいく価格設定ができるヒントを手に入れることができます。
イラストの値段の決め方で押さえるべきポイント

イラストの値段を決める際には、さまざまな要素をバランスよく考慮することが大切です。
単純に時間や労力だけでなく、用途や著作権、追加作業など細かな部分も料金に反映させる必要があります。
それぞれのポイントについておさえておくことで、納得できる適正な価格設定がしやすくなります。
制作時間と報酬のバランス
イラスト制作に何時間かかるのかを把握することは、値段を決めるうえでとても重要です。
作業時間に対して適切な時給を設定し、その時間分の報酬を考えます。
例えば、完成までに10時間かかり、時給1,500円とするなら、基本料金は15,000円になります。
自分のスキルや作業効率も見直しながら、納得できる時間単価を設定しましょう。
イラストの用途・商用利用の有無
イラストが個人利用か、商用利用かによって値段は大きく変わります。
商用利用の場合、企業や団体が利益を得るために使うことになるため、個人利用より高い料金を設定することが一般的です。
用途の違いによる料金設定の一例を表にまとめます。
用途 | 相場の例 |
---|---|
個人鑑賞用 | 5,000円~10,000円 |
同人誌・SNSアイコン | 8,000円~15,000円 |
商用(広告・グッズ) | 15,000円~50,000円 |
取引の前に、用途について必ず確認するようにしましょう。
イラストの描き込み量や難易度
イラストの細かさや描き込みの量、キャラクターの数などによっても値段は変わります。
シンプルなイラストと複雑な背景や装飾が入ったイラストとでは、作業量や労力に大きな差が出ます。
たとえば以下のようなポイントを参考に描き込みや難易度を判断しましょう。
- キャラクターの人数や表情の多さ
- 背景や小物などの描き込み具合
- 特殊な衣装やポーズの有無
- リアル調やデフォルメなどのスタイル
事前に見本や要望をしっかり確認し、工数に見合った金額を設定してください。
サイズや納期の条件
イラストの完成サイズが大きくなったり、高解像度になるほど作業時間が増えます。
また、「短納期で欲しい」といった急ぎの相談は、追加料金を設けるのが一般的です。
大きなサイズや急ぎの依頼になるほど、価格に上乗せすることを忘れずにしましょう。
著作権・二次利用の範囲
イラストの著作権や二次利用の取り決めは、トラブルを避けるためにも明確にしておきましょう。
「納品後のイラストをどこまで使えるのか」「他者への再配布や加工が可能か」など、利用可能範囲によって料金が変わります。
特に商用の二次利用やグッズ展開などは大きな収益につながるため、その分の費用を上乗せするのがおすすめです。
修正回数と追加オプション
イラスト制作では、ラフや完成後に修正依頼が入ることがあります。
基本料金で何回までなら無料で対応できるのか、追加料金がかかる場合はその金額を明記しましょう。
また、色変え・ポーズ差分・ファイル形式の変更など、追加オプションの値段設定も大切なポイントです。
自身の実績や知名度
これまでの受注実績やSNSでの人気度、有名な案件への参加経験なども、値段設定に大きく影響します。
実績や知名度があるイラストレーターであれば、相場よりも高めに設定しても依頼が集まりやすい傾向があります。
自身のブランディングもしっかり意識し、値段に反映させてみましょう。
イラストの値段を決める基準方法

イラストの値段を決める際には、さまざまな基準や考え方があります。
自分のスキルや作業時間、市場の動向などを踏まえて、納得できる価格設定をすることが大切です。
ここでは、イラストの料金を決定する際によく用いられる方法を紹介します。
時給計算による価格設定
時給計算は、自分がイラスト制作に費やす時間をベースに金額を設定する方法です。
まず、自分が希望する時給を決めます。たとえば自分の経験やスキル、生活費などを考慮して、「1時間あたり2,000円くらい欲しい」と設定します。
次に、イラスト1点にかかる制作時間を大まかに見積もります。ラフ、線画、着色、仕上げまでの作業時間を計算して合計するとよいでしょう。
たとえば「合計5時間かかる」と見積もった場合は、2,000円×5時間で10,000円が値段の目安となります。
この方法だと、作業内容やクオリティによって価格を柔軟に調整しやすくなります。
項目 | 例 |
---|---|
希望時給 | 2,000円 |
制作時間 | 5時間 |
イラスト1枚の価格 | 10,000円 |
相場調査による参考価格
相場調査による価格設定は、他のクリエイターやサービスがどのくらいの料金でイラストを提供しているかを参考にします。
クラウドソーシングサイトやSNS、イラスト販売サイトなどで、似たジャンルやクオリティの事例をリサーチしてみましょう。
おおまかな価格帯を知ることで、極端に安すぎたり高すぎたりするリスクを減らしやすくなります。
- ラフ・アイコンイラストの場合:2,000~5,000円程度
- キャラクターデザイン:8,000~20,000円程度
- 背景込みのイラスト:15,000~50,000円以上
相場はジャンルや用途、依頼者の要望によっても大きく変わるため、自分の作風や得意分野に合った事例を探すことが重要です。
また、複数の参考価格を見ておくことで、適正な金額を設定しやすくなります。
目標売上からの逆算
目標売上から逆算する方法も料金設定でよく使われます。
まず1か月で稼ぎたい金額(目標売上)を決めます。次に、1か月で受けられる依頼件数や制作に使える労働時間から、1点あたりの最低価格を計算します。
たとえば「月10万円稼ぎたい」「1か月に10点描ける」と考えれば、1枚あたり10,000円が必要な最低ラインになります。
この方法では、計画的に収入を得たい場合や副業・フリーランスで活動する人に特に役立ちます。
また、繁忙期や閑散期で受注件数が変動する場合は、柔軟に価格を見直すようにしましょう。
イラスト値段設定で失敗しないコツ

イラストの価格設定は、クリエイターとして活動するうえでとても大切なポイントです。
自分のイラストの価値をしっかり理解し、根拠のある価格を提示することが信頼や継続的な仕事につながります。
報酬に納得できないまま受注を続けてしまうと、やる気やクオリティの維持にも影響が出てしまうことがあります。
無理に安くするのではなく、自分のスキルや相場と向き合いながら納得のいく価格を決めることが大切です。
値下げ交渉の断り方
イラストの依頼を受けていると、クライアントから値下げ交渉を受ける場面に直面することがあります。
無理な値下げ交渉にはしっかり線を引くことが、健全な仕事環境を守るポイントです。
- 「申し訳ありませんが、この価格が最低料金となります」と明確に伝える
- 料金の根拠(制作時間や工程、スキルなど)を具体的に説明する
- 値下げできない代わりに、別の提案(納期の短縮や内容の調整)を行う
- 今後も気持ちよくお取引したい姿勢を丁寧に伝える
毅然とした対応をしながらも、相手の要望に耳を傾ける姿勢を見せることで、より良い関係づくりにつながります。
価格の見直しタイミング
イラストの価格は一度決めたらそのままにせず、定期的な見直しが大切です。
以下のようなタイミングが、価格を見直す良い目安です。
見直しのタイミング | 主な理由 |
---|---|
スキルや経験が上がったとき | 提供価値が高まるため |
リピーターや依頼が増えたとき | 需要が大きくなったため |
制作過程や工数が増えたとき | 時間や手間がかかるため |
同業者の相場に変動があったとき | 市場の変化に合わせるため |
定期的な価格見直しは、自分のレベルや市況の変化を反映し、適正価格を保つことにつながります。
低価格依頼のリスク管理
低価格で依頼を受ける場合には、いくつか注意が必要です。
報酬が見合わない案件を多く引き受けてしまうと、以下のようなリスクにつながることがあります。
仕事のクオリティ維持が難しくなったり、自分の制作時間が圧迫されて疲弊してしまうことがあります。
また、低価格案件ばかり引き受けることが評価につながり、自分の相場を下げてしまう可能性も。
リスクを抑えるためには、案件ごとに作業範囲・納期・報酬のバランスをよく見極めること、無理なスケジュールや低単価受注が続かないよう基準を決めておくことが大切です。
値段の決め方でよくある悩みとその対処法

イラストの値段を決める際には、多くの人がさまざまな悩みに直面します。
自分のスキルや実績に見合った価格設定がわからなかったり、周囲の声に不安を感じたりすることも少なくありません。
また、受注数と単価のバランスをどのように考えるかも重要なポイントです。
周囲の意見に惑わされる不安
イラストの値段を決めるとき、SNSやコミュニティで他人の価格設定を目にすると「自分も同じくらいにしないといけないのでは?」という気持ちになることがあります。
しかし、他の人と同じ価格だからといって、あなたにとって最適な金額とは限りません。
経験や制作にかける時間、作品のテイスト、ターゲット層などが違えば適切な値段も変わってきます。
- 他人の値段を参考にしつつ、自分のペースで判断する
- ポートフォリオや過去の実績も価格を決める材料にする
- 目標とする作風や将来像を意識して値付けする
自分に合った基準を作ることで、余計な不安を減らすことができます。
値付けへの抵抗感
「自分のイラストにこんな価格をつけていいのだろうか」という気持ちを抱く人も多いです。
特にはじめての値付けや、値段を上げる時には抵抗感が強くなりがちです。
悩み | 対処法 |
---|---|
高く設定するのが怖い | 作品制作にかかる時間や工程を書き出してみる |
依頼が来ないのではと不安 | 価値を言語化して説明できるようにする |
断られるのが怖い | 断られても合わないだけと前向きにとらえる |
値段はあなたの作品そのものへの評価ではありません。
作業内容や時間、サービス内容を根拠とすれば自信をもって提示できるようになります。
受注数と単価のバランス
イラストの価格設定では、受注数を増やすために安くしすぎたり、逆に高い単価を目指してほとんど受注が来ないということもあります。
目標やライフスタイルに合わせて、どちらを重視するかを考えることが大切です。
たとえば「経験を積みたい時期」「生活費や時間との兼ね合い」「将来的に単価アップを狙うかどうか」など、いくつかの観点からバランスを見直しましょう。
- 今は実績作りを優先したいか
- 無理なく続けられる価格帯はどこか
- 将来的にどんな働き方をしたいか
値段の決め方に正解はありませんが、自分が納得して続けられるバランスを探すことが大事です。
イラスト値段決定後にやるべき対応

イラストの値段を決めた後には、その料金をしっかりと管理し、クライアントとのトラブルを防ぐための準備が大切です。
事前に整理しておくことで、お互いに安心したやりとりにつながります。
料金表の作成
まずは、決定したイラストの料金を分かりやすくまとめた料金表を作成しましょう。
料金表があることで、クライアントが見積もりを依頼する際に料金の目安がすぐに伝わります。
イラストの種類や目的によって値段が異なる場合は、表に整理すると親切です。
イラスト種類 | 基本料金(円) | 納期目安 |
---|---|---|
アイコン | 3,000 | 3日 |
バストアップ | 5,000 | 5日 |
全身イラスト | 10,000 | 7日 |
このような表を作成し、サイトやSNSに掲載することで、問い合わせ対応もスムーズになります。
追加料金の設定
イラスト制作の過程で、サイズ変更や修正依頼、商用利用など追加の希望が出る場合があります。
そのため、あらかじめ追加料金が発生するケースを設定して説明できるようにしましょう。
- 納品後の大幅な修正
- 商用利用ライセンスの追加
- 複雑な背景や小物の追加
- 特急納品
このようにリスト化して、各項目ごとに目安となる追加料金を明記しておくと安心です。
クライアントから追加作業の相談があったときも、事前に設定したルールに沿って説明できます。
料金改定時の伝え方
イラストの値段を今後変更する場合、既存のクライアントやフォロワーにしっかりと伝えることが大切です。
急な料金改定は驚かれることもあるため、余裕を持って事前告知を心がけましょう。
- 料金改定の理由を簡潔に説明する
- 改定日と新料金を明記する
- 既存のお客様には一時的な優遇措置を設ける場合は、その内容も伝える
例えば、「原材料費や制作時間の変動」「サービス向上のため」など理由を記すことで理解を得やすくなります。
SNSやメール、公式サイトなど複数の方法でアナウンスすることで、より多くの方に情報が伝わります。
イラストの値段決めを実践する際に役立つまとめ

イラストの値段の決め方について紹介してきましたが、一番大切なのは自分のスキルや作業時間を正しく評価することです。
周りの相場を踏まえつつ、自身が納得できる金額を設定することで、満足度の高い取引が実現しやすくなります。
また、最初から高価格に設定するのではなく、実績や経験を積み重ねて徐々に値段を調整していくのもおすすめの方法です。
イラストの値段はあくまで目安であり、お客様との信頼関係や柔軟な対応も大きなポイントとなります。
今後も自分の成長や市場の動向を意識しながら、最適な値段設定を目指していきましょう。