イラストの画像サイズ選びに迷った経験はありませんか。
せっかく描いたイラストなのに、サイズが合わずSNSで綺麗に表示されなかったり、印刷時に画質が荒れてしまったりする悩みを抱えている方も多いはずです。
実は、イラストの画像サイズや解像度を正しく設定することで、作品本来の魅力をしっかり伝えることができます。
この記事では、用途ごとに最適な画像サイズの選び方や、SNS・印刷媒体別の推奨値、サイズ調整の注意点などをわかりやすく解説します。
あなたのイラストが最大限に活きる画像サイズ選びのポイントを知りたい方は、ぜひご覧ください。
イラストの画像サイズ選びで失敗しないためのポイント

イラストの画像サイズを適切に選ぶことは、作品のクオリティや用途に大きな影響を与えます。
サイズ選びを間違えると、せっかくのイラストがぼやけて見えたり、データが重くなり扱いにくくなったりすることがあります。
目的や利用シーンに合わせて最適な画像サイズを把握し、作品ごとに設定することが大切です。
ここでは、失敗しにくいイラストの画像サイズ選びの重要なポイントを解説します。
目的別に適した画像サイズを決める基準
イラストの画像サイズは、完成した作品をどんなシーンで使うのかによって最適な設定が変わります。
例えば、WEBサイトやSNS投稿の場合は閲覧するデバイス環境が幅広いため、一般的に大きすぎないサイズに設定されやすいです。
一方、印刷に使うのであれば高解像度かつ大きなサイズが求められることが多くなります。
- 用途(WEB/SNS/印刷)によって基準が異なる
- 仕上がりイメージを先に決める
- トリミングや拡大縮小の予定がある場合は余裕を持ったサイズを選ぶ
用途・媒体・必要な解像度の3つを基準として、最適な画像サイズを決めましょう。
WEB・SNSと印刷で最適なサイズはどう違うか
WEBやSNSで使用するイラスト画像は、主に画面サイズや閲覧速度を意識して設計されます。
一般的には解像度は72dpi~144dpi程度、画像サイズは最大でも長辺2000ピクセル前後が目安です。
一方、印刷用イラストは高解像度が前提で、解像度は300dpiが標準です。
同じサイズでも印刷とWEBでは見え方が大きく変わります。
利用シーン | 推奨解像度 | 一般的な画像サイズ例 |
---|---|---|
WEBサイト | 72~144dpi | 横1500~1920px |
SNSアイコン | 72dpi | 500×500px |
同人誌表紙(印刷) | 300dpi | 148mm×210mm(A5)、1748px×2480px程度 |
用途に合わせたサイズ選びが重要です。
推奨サイズや解像度が不足するとどうなるか
推奨サイズや解像度を満たしていない場合、イラストの見栄えや印刷結果にさまざまな不具合が生じます。
具体的には、画像がぼやけたりジャギーが出たり、輪郭が崩れることがあります。
特に印刷時は、低解像度画像を拡大すると細部がつぶれて印刷品質が著しく落ちます。
また、SNSのサムネイルやアイコンとして使用する際も、小さすぎると一部がカットされたり、ぼやけて表示されることがあります。
用途ごとの推奨サイズや解像度は必ず守るようにしましょう。
画像サイズ変更時に注意すべき点
完成したイラストの画像サイズを変更するときは、劣化やレイアウト崩れに注意が必要です。
小さい画像を大きく拡大すると、どうしても画質が悪くなりやすいです。
また、比率を変えてリサイズすると縦横どちらかが伸びたり縮んだりしてしまい、不自然な仕上がりになることもあります。
画像編集ソフトを使う際は「元画像を残しておく」「縮小は比較的安全だが拡大は注意」「必要ならクリッピングやトリミングで比率を調整する」などを意識しましょう。
イラスト制作でよく使われる定番の画像サイズ例
イラスト制作では用途ごとに「よく使われる画像サイズ」というものがあります。
特に人気の定番サイズは作業効率や仕上がりの見栄えに優れているので参考にしやすいです。
- WEBバナー用:横1200×縦628px(Twitterカード等)
- SNSアイコン用:500×500pxや400×400px
- 同人誌カバー:A5サイズなら1748×2480px(300dpi換算)
- ポストカード:1000×1480px(300dpi換算)
- LINEスタンプ:370×320px
用途に合わせて、あらかじめ定番サイズでキャンバスを作っておくとスムーズです。
データ容量と画像サイズの関係
画像サイズが大きくなるほど、データの容量も大きくなります。
高解像度・大サイズの画像は大きなファイル容量になるので、WEB用では容量を抑えることも大切です。
また、ファイル形式(JPEG・PNGなど)の違いによっても容量は変わります。
例えば、同じ1000×1000pxでもJPEG形式のほうがPNGより容量を抑えやすい場合があります。
用途や公開先、保存制限などを意識しつつ、必要に応じて画像圧縮ソフトなども活用しましょう。
イラスト画像サイズを選ぶメリットとリスク

イラスト画像のサイズは、作品の見た目や使いやすさに大きく影響します。
適切なサイズ選びは作品の印象をより良くしたり、ウェブ表示の快適さにも関わってきます。
逆に不適切なサイズだと、思わぬトラブルが生じる原因にもなります。
サイズが大きすぎる場合のリスク
イラストの画像サイズが大きすぎると、ファイル容量も重くなりがちです。
ウェブサイトに掲載する場合は、表示速度の低下が発生しやすくなります。
スマホやパソコンで開く際、読み込みに時間がかかったり、データ通信量が多くなってしまうこともあります。
また、メールやSNSで送信する際に、アップロードや送信ができなくなるケースも見られます。
リスク内容 | 影響例 |
---|---|
読み込みが遅い | ユーザーがページを離れてしまう |
データ容量が大きい | 通信費の負担や保存時の空き容量不足 |
アップロード不能 | 投稿や送信ができない |
サイズが小さすぎる場合のリスク
逆に画像サイズが小さすぎると、イラストを拡大表示したときに画質が荒れ、細部がぼやけてしまいます。
印刷物や大きなバナーに使いたいときは、解像度が足りずにはっきりとした画になりません。
- 拡大時に画質が劣化する
- 細かい部分がつぶれてしまう
- 印刷用途に使えない
これらのリスクは、せっかくのイラスト本来の魅力を損なってしまう原因となります。
適切なサイズ選択がもたらすメリット
イラスト画像の最適なサイズを選ぶことで、多くのメリットを得ることができます。
たとえばウェブ掲載用には適切に圧縮した画像でページの表示速度を上げることができ、ユーザーにストレスなく作品を届けられます。
また、用途に合った解像度とサイズを選べば、印刷にも耐える美しい状態でイラストを利用できます。
- ウェブ表示が速くなる
- 細部まで美しく表現できる
- SNSやメールでも手軽にシェアできる
- 印刷時もきめ細やかな仕上がりになる
用途や必要に応じて最適な画像サイズを選ぶことで、作品の活用範囲が広がるのが大きなメリットです。
主要SNS・Webサービス別のイラスト画像サイズ推奨値

イラストをSNSやWebサービスに投稿する際は、それぞれのサービスに合った画像サイズを選ぶことが大切です。
適切なサイズで投稿することで、画像がきれいに表示され、多くの人に魅力が伝わりやすくなります。
各サービスごとの推奨サイズを知っておくことで、投稿後のトリミングや画質低下を防ぎましょう。
Twitter(X)の推奨画像サイズ
Twitter(現:X)でイラストを投稿する場合、タイムライン上できれいに表示される画像サイズを意識することが大切です。
推奨されているサイズは1200×675ピクセル(16:9)の横長画像です。
用途 | 推奨サイズ | ファイル形式 |
---|---|---|
タイムライン画像 | 1200×675px | JPEG/PNG |
アイコン | 400×400px | JPEG/PNG |
ヘッダー画像 | 1500×500px | JPEG/PNG |
画像を投稿する際は、サイズを超える場合でも最大5MB(PNG/GIFは最大15MB)まで対応しています。
ただし、高画質で表示したい場合は上下左右が自動でトリミングされることを考慮して、重要部分を中央に配置するのがおすすめです。
Instagramの推奨画像サイズ
Instagramでイラストを美しく見せるには、投稿する画像の比率やサイズに注意が必要です。
- 正方形画像:1080×1080ピクセル(1:1)
- 縦長画像:1080×1350ピクセル(4:5)
- 横長画像:1080×566ピクセル(1.91:1)
公式では1080ピクセルを基準に推奨されており、アップロード時に画像サイズが大きすぎると自動で縮小されます。
サムネイルは正方形での表示になるため、センターにイラストのメイン部分を配置すると見映えがよくなります。
ストーリーズは1080×1920ピクセル(9:16)を基準とすると、余白なく全画面で表示できます。
pixivの推奨画像サイズ
pixivにイラストを投稿する際は、画像の解像度や容量の上限に注意しましょう。
推奨サイズは幅1000ピクセル以上です。
より大きな画像もアップロードできますが、長辺が1万ピクセルを超えないようにするのが一般的です。
ファイル容量は32MBまでのJPEGまたはPNGが利用できます。
一覧(サムネイル)表示では、長辺340ピクセルに自動で縮小されます。
閲覧画面での拡大表示を考慮して、できるだけ高解像度で保存するのがおすすめです。
LINEアイコンの推奨画像サイズ
LINEのアイコンは丸型で表示されるため、元画像の中心に重要なイラストが配置されていることが大切です。
推奨サイズは640×640ピクセルの正方形画像です。
ファイル容量は最大3MBまでで、形式はJPEGもしくはPNGが使用できます。
画像の四隅が切り取られるので、イラストのメインが中央にしっかり入るよう調整しましょう。
ホームページやブログ用の推奨画像サイズ
ホームページやブログでは、表示場所やデザインにより適切な画像サイズが異なります。
一般的な記事内のイラスト画像の場合は、幅1200ピクセル前後の画像が多く使われています。
アイキャッチ画像では1200×630ピクセル(16:8)が多いです。
ページの読み込み速度を意識し、画像のファイル容量を圧縮して軽量化するのも大切です。
また、表示に合わせて画像の拡大・縮小ができるよう、レスポンシブ対応の画像サイズにも気を配りましょう。
印刷用イラストの画像サイズと解像度設定

印刷用のイラストをきれいに仕上げるためには、画像サイズや解像度の正しい設定が欠かせません。
デジタルデータをそのまま印刷すると、思っていたより粗くなったり小さく仕上がることがあります。
ここでは、印刷用イラストに最適な画像サイズや解像度のポイントを押さえていきましょう。
印刷向けサイズの選び方
印刷物の目的や仕上がりサイズによって、イラスト画像の適切なサイズは変わります。
たとえば、名刺、ハガキ、A4サイズなど用途に合わせて画像のピクセル数や比率を選ぶことが大切です。
以下のように、代表的な印刷サイズと画像サイズの目安をまとめました。
- 名刺(91mm×55mm):1,075px × 650px(350dpiの場合)
- ハガキ(100mm×148mm):1,378px × 2,047px(350dpiの場合)
- A4(210mm×297mm):2,894px × 4,210px(350dpiの場合)
このように仕上がりサイズをもとに、必要なピクセル数を計算しておくと安心です。
推奨dpi・解像度の基準
印刷でイラストを美しく仕上げるには、解像度の設定がとても重要です。
一般的におすすめされる解像度の単位はdpi(ドット・パー・インチ)です。
解像度が高いほど細かい描写が可能ですが、ファイルサイズも大きくなります。
用途 | 推奨dpi | 理由 |
---|---|---|
ポスター・フライヤー | 300〜350dpi | 高精細、近くでも綺麗に見える |
書籍・雑誌 | 300dpi | 商業印刷の標準 |
新聞 | 200dpi | 用紙や印刷工程上の制約あり |
細かな線やグラデーションを重視するイラストの場合は、300dpi以上を目安に設定すると良いでしょう。
仕上がりサイズと画像サイズの関係
印刷物の仕上がりサイズをもとに、イラストの画像サイズを考えるのが大切です。
画像サイズ(ピクセル数)は「仕上がりサイズ(mm)÷25.4×dpi」の式で算出できます。
たとえばA4サイズ(210mm×297mm)で350dpiの場合、約2,894ピクセル×4,210ピクセルとなります。
この関係を押さえておけば、大きすぎたり小さすぎたりせず、目的に合ったイラストが作成できます。
解像度が低すぎるとぼやける原因になるので、印刷する大きさに合わせてピクセル数もしっかり設定しましょう。
イラスト画像サイズを変更・調整する方法

イラストをSNSやブログ、印刷などで活用する際は、画像サイズの調整がとても重要です。
使い方や用途に応じて最適なサイズへリサイズすることで、綺麗に表示されたり、データ容量を節約することができます。
ここではパソコン用の画像編集ソフトや、保存設定のポイント、スマホ・タブレットでの手軽なリサイズ方法について紹介します。
画像編集ソフトでのリサイズ方法
パソコンでイラスト画像サイズを変更する場合、一般的には画像編集ソフトを使います。
よく使われるソフトとしては、PhotoshopやClip Studio Paint、無料のGIMPなどがあります。
- 画像編集ソフトを起動し、リサイズしたいイラストを読み込みます。
- 「画像サイズ」や「キャンバスサイズ」の変更メニューを選びます。
- 幅と高さを目的のピクセル数や比率に合わせて入力します。
- リサイズ後、形式や画質を選んで保存します。
このとき、縦横比のロック(アスペクト比固定)に注意すると、イラストの変形を防げます。
また、印刷用の場合は解像度(dpi)なども確認しておくと、仕上がりが綺麗です。
保存時に画質を落とさないコツ
イラストの画像サイズを変更したあと、保存方法によっては画質が劣化しやすくなります。
保存形式 | 特徴 | おすすめ目的 |
---|---|---|
PNG | 劣化なし・透過対応 | 線画・Web用 |
JPEG | 軽量・多少の圧縮劣化 | 写真風イラスト・SNS |
BMP | 高画質・ファイルサイズ大 | 印刷用・保存用 |
ファイル形式ごとの特徴を理解し、PNGや高品質設定で保存することで、綺麗な状態を保ちやすくなります。
JPEG保存時は品質(クオリティ)を80〜100%にするとバランスよく仕上がります。
元データは必ず別名保存し、繰り返しの保存劣化を防ぎましょう。
スマホ・タブレットでの簡単なリサイズ
スマホやタブレットだけでも、手軽にイラスト画像サイズを変更できます。
アプリを利用すれば、難しい操作は不要です。
おすすめの無料リサイズアプリをいくつか紹介します。
- 「Photo Resizer」や「Adobe Photoshop Express」などのアプリをダウンロードします。
- イラスト画像を開き、「リサイズ」や「サイズ変更」機能を選びます。
- 数値入力やスライダーで、希望の幅・高さに設定します。
- 保存ボタンで保存先やファイル形式を選んで完了です。
直感的に操作できるものが多いので、初めてでも迷わず使えます。
また、画像をSNS用に最適化する機能付きアプリもあり、用途に応じて使い分けましょう。
イラストの画像サイズ設定で作品の質を高めるために

イラストの画像サイズは、その作品をどのように活用するかによって適切な設定が重要です。
大きすぎる画像はデータ容量が増えてしまい、閲覧環境によっては表示速度が遅くなったり、ファイルのやり取りも負担になります。
反対に小さすぎる画像は拡大した際に画質が劣化しやすく、細かいディテールが潰れてしまうこともあります。
用途に合った適切な画像サイズを設定することで、元のイラストの魅力や意図を損なうことなく、見栄えの良い作品として仕上げることができます。
また、商業利用や印刷用の場合は解像度や比率にも注意が必要です。
どんな場面で使うかを意識して画像サイズを調整することが、イラストのクオリティを大きく左右します。
今まで解説してきたポイントを意識し、ご自身の作品に合った最適な画像サイズを選んでください。
それによって、あなたのイラストはさらに多くの人に魅力的に伝わるはずです。