「写生画を書いてみたいけれど、どうやって始めればいいのかわからない」「自分の絵に自信が持てない」と悩んでいませんか。
思うように描けないもどかしさや、写生画の書き方に迷う気持ちは、多くの方が感じるものです。
しかし、基本のステップを押さえれば、だれでも写生画を上達させることができます。
この記事では、初心者でも実践できる写生画の書き方のコツや練習方法、失敗しやすいポイントまでていねいに解説していきます。
描くことが一層楽しくなる秘訣を知りたい方は、ぜひこのまま読み進めてみてください。
写生画の書き方を押さえるための基本ステップ

写生画を上手に仕上げるためには、基本となるステップを順番に押さえておくことが大切です。
しっかりと観察しながら描くことで、モチーフ本来の魅力を表現できます。
初心者でも取り組みやすいやり方を身につけることで、写生画の楽しさがより広がります。
モチーフの選び方
モチーフは自分が興味を持てるものや、観察しやすいものを選びましょう。
果物や花、身近な日用品など、動かないものから始めると描きやすいです。
最初は形がシンプルで、色や質感がわかりやすいものが適しています。
- 果物(りんご、みかんなど)
- 植物(花瓶に入った花や葉っぱ)
- 身近な小物(コップやおもちゃなど)
構図の決定
モチーフをどの位置に配置するかを考えます。
キャンバスやスケッチブックに対して、バランスの良い位置を探してみましょう。
画面の端に寄せすぎず、全体が見やすくなるように意識します。
構図を決めることで、絵全体にまとまりが生まれます。
構図 | 特徴 |
---|---|
中央構図 | モチーフが目立ち、安定感のある印象になる |
対角構図 | 動きや奥行きを感じさせる配置になる |
三分割構図 | バランスが良く、自然な印象を与える |
下描きの手順
まずはモチーフの大まかな形を薄く鉛筆で描きます。
細部よりも、全体のバランスを優先して書くのがコツです。
パーツ同士の位置関係や、おおまかな陰影もチェックしながら下描きを進めましょう。
間違えた部分は消しゴムで修正し、納得いくまで整えてください。
観察のポイント
写生画では観察力がとても大切です。
色だけでなく、形や質感、光のあたり方などにも目を向けましょう。
モチーフの特徴を見つけて、表現したいポイントを意識しながら進めるのがポイントです。
見る角度を変えることで、新しい発見があるかもしれません。
色使いの工夫
色を使うときは、モチーフの実際の色合いをよく観察しましょう。
同じ赤でも明るさや濃さによって印象が変わります。
影の部分は単に黒く塗るのではなく、実際に見える色の変化を表現すると自然です。
色鉛筆や絵具を重ねることで、モチーフの立体感や深みが出せます。
筆づかいの基本
筆やペンの動かし方も大事なポイントです。
輪郭は細い線で丁寧に、面を塗るときは穏やかな動きを心がけましょう。
筆圧を加減することで、強い線や淡い線を使い分けられます。
部分によって道具を変える工夫もしてみてください。
仕上げのコツ
全体のバランスを見て、必要があれば加筆や修正をしましょう。
描き込む部分とあえてシンプルに仕上げる部分にメリハリをつけると、完成度が上がります。
最後にサインを入れると、作品としての達成感も得られます。
よく観察して、納得のいくまで丁寧に仕上げることが大切です。
写生画の画材選びで知っておきたいこと

写生画を始める際、画材選びは作品の仕上がりを大きく左右します。
自分の描きたいイメージに合った画材を選ぶことで、表現の幅も広がります。
ここでは、紙や筆記具、色材、便利な道具について、それぞれのポイントを押さえておきましょう。
紙の種類
写生画に使える紙にはさまざまな種類があります。
水彩紙は厚みがあり、水彩絵の具による表現に最適です。
スケッチブック用紙は、軽い鉛筆画やペン画に向いています。
和紙を使うことで、独特の風合いを活かした写生画も楽しめます。
紙ごとに「質感」「吸水性」「発色の良さ」などが異なるため、目的や画材に合わせて次のような選び方がおすすめです。
- 鉛筆や色鉛筆中心ならスケッチ専用紙やケント紙
- 水彩やインクを使いたい人は厚手の水彩紙(コットン入りが理想)
- 伝統的な風合いを楽しみたい場合は和紙
まずは小さいサイズでいくつか試してみて、自分に合う紙質を見つけるのもおすすめです。
鉛筆・ペンの使い分け
写生画の下描きや輪郭線には、鉛筆やペンが活躍します。
鉛筆には濃淡を表現しやすいH系(硬い)とB系(柔らかい)があり、描き分けに便利です。
一般的な選び方と特徴を比較すると、次のようになります。
種類 | 主な特徴 | おすすめ用途 |
---|---|---|
H系(H・2H 等) | 芯が硬く、薄い線を描きやすい | 下描きや細かい部分 |
B系(2B・4B 等) | 芯が柔らかく、濃く太い線を引きやすい | 陰影や質感表現 |
シャープペンシル | 手軽で扱いやすい | ラフスケッチや修正作業 |
ペン(万年筆・耐水性インクペン) | くっきりとした輪郭を描ける | ペン画や線画仕上げ |
使う場面によって数種類の鉛筆やペンを使い分けると、より奥行きのある写生画が描けます。
絵の具や色鉛筆の選択
色をつけたい場合は絵の具や色鉛筆が便利です。
水彩絵の具は、透明感のある色合いやぼかし表現に長けています。
アクリル絵の具は発色が強く、重ね塗りしやすいのが特徴です。
色鉛筆は持ち運びやすく、細部の塗り分けにも適しています。
選ぶ際は好きな色の数や色の特徴、持ち運びやすさも考慮すると良いでしょう。
初心者の場合は、基本色が揃った12色セットから始めるのもおすすめです。
イーゼルやパレットの活用法
イーゼルは、描くときの姿勢を保ちやすくする便利な道具です。
屋外写生では、軽量タイプのイーゼルを使うと持ち運びがラクになります。
パレットは、色を混ぜる際に必須アイテムです。
プラスチックやアルミ製、紙パレットなど種類があり、用途や好みに合わせて選びましょう。
特に水彩用のパレットは深さと広さが十分あるものが便利です。
初心者でも写生画が上達する練習法

写生画は観察力や表現力を育てる魅力的なアートです。
初心者が着実にスキルを身につけるためには、基礎的な練習と反復、そして適切な目標設定が重要です。
ここでは、楽しく写生画が上達できる具体的な練習法を紹介します。
スケッチの反復練習
まず写生画を学ぶ上で大切なのは、スケッチを繰り返し行うことです。
簡単なモチーフを何度も描くうちに、形やバランスを自然と捉えられるようになります。
毎日短時間でも良いので、継続することを目標にしましょう。
反復練習の際のポイントは以下の通りです。
- 線を強く引きすぎず、軽いタッチで描く
- 最初はミスを恐れずどんどん描く
- 描き終えた絵は見返して良かった点・直すべき点を考える
この積み重ねが、写生画の上達への近道となります。
シンプルなモチーフから始める
写生画を始めたばかりの方は、複雑な風景や動物よりも、身近な日用品や果物など、形の単純なモチーフを選ぶと良いでしょう。
描きやすいモチーフから始めることで、描く楽しさを感じながらコツをつかみやすくなります。
初心者におすすめのモチーフを以下の表にまとめました。
モチーフ | 難易度 | ポイント |
---|---|---|
りんご | 低 | 丸み・陰影を意識 |
ペットボトル | 中 | 透け感と直線を描く |
コップ | 中 | 立体感・反射表現に挑戦 |
まずは簡単な題材で手を動かすことから始めてみましょう。
時間制限付き写生
一定時間内でモチーフを描く「時間制限付き写生」を取り入れることで、短時間で重要なポイントをつかむ練習ができます。
例えば、5分や10分という制限を設けて描いてみると、迷わず素早く形を取る力が鍛えられます。
次の手順で実践してみてください。
- モチーフをひとつ選ぶ
- タイマーを5分にセット
- 全体の形を大まかに描くことに集中する
- 終了したら必ず振り返りをする
時間内で要点を掴もうとする意識が、自然と観察力と表現力を高めてくれます。
プロの作品模写
写生画が上手な人の作品をじっくり観察し、そのまま模写するのも効果的です。
線の使い方や陰影、モチーフの捉え方など、プロならではの特徴を自分の手で再現してみましょう。
模写の際には「なぜこの線で表現しているのか」「どこを強調しているのか」など、意識して観察することが大切です。
模写によって気付いた点を、自分のオリジナル写生にも応用していきましょう。
写生画の作品に個性を出すための工夫

写生画では、目の前のものをただ描くだけでなく、自分らしい表現を加えることによって作品に個性が生まれます。
観察の仕方や表現の工夫次第で、同じモチーフでもまったく異なる印象になります。
ここでは、写生画をより個性的に仕上げるための工夫について紹介します。
視点や角度の変化
写生画を描くうえで、視点や角度を変化させてみるだけで作品の印象は大きく変わります。
例えば、被写体を見下ろすのか、見上げるのか、または真横から見るのかでも、表現できる雰囲気が違ってきます。
定番のアングルだけでなく、あえて普段と異なる位置から目線を合わせることで、自分らしい一枚に仕上がります。
- 高い位置から見下ろす
- 地面に近い視点で見上げる
- 斜めの角度や、極端な角度に挑戦する
- 被写体に極端に近づいて描写する
これらを意識することで、日常的な風景や静物でも、オリジナリティを持たせることができます。
光と影の表現
写生画において、光と影のバランスは作品の印象を大きく左右します。
自然光や室内光の違い、時間帯による光の変化を捉えて描き分けることが大切です。
特に、光の当たり方によって生まれるコントラストを活かすことで、立体感や空気感がぐっと際立ちます。
光の種類 | 特徴 | おすすめの表現法 |
---|---|---|
朝の光 | 柔らかく温かみがある | 淡いグラデーションで描く |
昼の直射日光 | コントラストが強い | しっかりした影を描写 |
夕方の斜光 | 赤みのあるドラマチックな色合い | 温かみのある色で影を強調 |
影の濃淡や輪郭のぼかし方によっても表現が変わりますので、実際に観察しながら描き分けてみましょう。
色彩のアレンジ
写生画では忠実な色再現を目指すことも大切ですが、あえて色彩をアレンジすることで自分らしさを表現できます。
全体の雰囲気に合わせて色味を暖色系や寒色系で統一したり、部分的に強調したい色だけを鮮やかに描く方法もおすすめです。
例えば次のようなアレンジがあります。
- 全体を淡いパステルトーンで仕上げる
- 特定のモチーフだけ明るく鮮やかな色を使う
- 背景とモチーフで反対色を使いコントラストをつける
- 自然には存在しない色をアクセントとして使用する
自分のイメージや感情に合わせて色を工夫し、自由にアレンジすることで、写生画に新たな魅力を加えることができます。
写生画を書くときのよくある失敗例

写生画を描く際には、初心者から上級者まで思わぬ落とし穴にはまることも少なくありません。
こうした失敗例を知っておくことで、より完成度の高い作品づくりにつなげることができます。
写生画ならではの注意点を押さえて、自然な表現ができるよう意識しましょう。
細部の描き込みすぎ
写生画でありがちな間違いの一つが、細かい部分にこだわりすぎてしまうことです。
全体のバランスを見失い、枝や葉の一枚一枚に気を取られると、絵が固く不自然に仕上がります。
写生のポイントは、まず大きな形や構図を捉えることにあります。
その後、必要な部分だけを丁寧に描き込むことで自然な仕上がりが生まれます。
- まずは全体のシルエットをざっくり捉える
- 細部は重要な所だけ丁寧に描く
- 細かい部分は描きすぎず省略も意識する
パースの狂い
パース(遠近感)のズレは写生画で特に目立つ失敗です。
実際に見えている景色と、紙の上に描かれるものとで立体感がうまく合わないことがあります。
特に建物や複雑な形状を描くときに生じやすいので注意が必要です。
下記のようなパースの間違いがよく見られます。
失敗例 | 原因 | 対策 |
---|---|---|
建物が傾いている | 消失点の設定ミス | 水平線と消失点を意識する |
物体のサイズ感がバラバラ | 奥行きの計算不足 | ガイドラインを引いて描く |
色の濁り
色を塗る時にありがちなのが、色が濁ってしまうことです。
複数の色を重ねすぎたり、絵の具やパレットが汚れていたりすると、鮮やかな色がくすんでしまいます。
明るい部分と影のバランスを意識して、きれいな発色を心がけましょう。
使う色や混ぜる順番、筆の洗い方にも注意することで、より美しく仕上げることができます。
写生画を書く目的と楽しみ方

写生画は、目の前の風景やモノを実際に観察し、その魅力を自分なりの表現で描く絵のスタイルです。
描く過程そのものを楽しみながら、自然や静物など新しい視点を得られるのも特徴です。
心地よい空間で集中できるため、多くの人が日常のアクセントや趣味として写生画を取り入れています。
観察力の養成
写生画を書く最大の目的のひとつが、観察力を磨くことです。
細かな色合いや形、物体同士の距離感に気付こうとすることで、日常生活では見逃しがちな美しさを発見できます。
観察力を高めるポイントは下記の通りです。
- 描く対象をしっかり観察し、特徴を捉える
- 構図やバランスを意識しながら描く
- 違いに気付き、自分なりの視点を養う
これらを意識しながら描くことで、絵の表現力だけでなく、豊かな感性も培われていきます。
リフレッシュと気分転換
写生画は、外の空気を吸いながら自然を感じたり、好きな場所で自分のペースで没頭したりできるため、リフレッシュや気分転換にもぴったりです。
自宅の庭や公園、カフェなど、気軽に始められるのも魅力です。
実際にどんな場所や時間帯が写生におすすめなのか、以下の表で紹介します。
場所 | おすすめの時間帯 | 特徴 |
---|---|---|
公園 | 朝・夕 | 自然光が柔らかく、変化を楽しめる |
自宅の庭 | 昼間 | 手軽に取り組め、四季の移ろいを感じられる |
カフェ | 昼~夕方 | 落ち着いた雰囲気で集中しやすい |
気軽に写生画を取り入れることで、日常のストレスも和らげる効果が期待できます。
作品発表の魅力
写生画は描くだけでなく、自分の作品を発表する楽しさも大きな魅力です。
友人や家族に見せたりSNSや展覧会で紹介したりと、発表の場はさまざまです。
作品を通して感想をもらったり、新たな交流が生まれたりすることもあります。
発表のメリットには以下のようなものがあります。
- 人と共感や感動を分かち合える
- 自分の成長を客観的に感じやすい
- モチベーションの継続につながる
描く喜びとともに、発表することで得られる達成感も存分に味わいましょう。
これから写生画を書きたい人へのアドバイス

写生画に挑戦する際は、まず「楽しむこと」を忘れないでください。
写生は観察力を高める絶好の機会であり、自分の目で見たものをそのまま表現できる魅力があります。
最初から上手く描こうと意識しすぎず、自分の感じたものを素直に紙に映し出してみてください。
大切なのは、対象をよく観察することです。
形や色、影や光の当たり方など、意識して見てみると発見がたくさんあります。
また、描き始める前に構図を決めることも写生画を上達させるポイントです。
描きたいものの位置や大きさ、余白のバランスなどをイメージしてから描き始めると良いでしょう。
描いている途中で失敗しても気にしないでください。
写生画は何度も描き直しながら、自分の表現を見つけていくことができます。
最初のうちは思い通りに描けなくても、焦らずじっくりと向き合い、制作の時間を楽しむことが成長への近道です。
丁寧に観察し、手を動かす経験を積み重ねることで、自然と写生画のコツが身に付きます。
ぜひ自分らしい写生画に挑戦してみてください。