「スケッチブックにイラストを描いてみたいけれど、どんな描き方をすればいいのかわからない」「スケッチブックや画材の選び方に迷う」と悩んだ経験はありませんか。
せっかく始めるなら、基本からしっかり学び、自分らしいイラスト表現を楽しみたいものです。
本記事では、スケッチブックで描くイラストの描き方を、初心者にもわかりやすく手順ごとに解説します。
紙や画材選びのポイントから、ラフ作成、色塗り、上達のコツ、さらにはモチベーションを保つ練習法や完成した作品の活用方法まで、スケッチブックイラストの世界をあますところなくご紹介。
あなたもこの記事を参考に、自分だけのイラストを楽しく描き始めてみませんか。
スケッチブックでイラストを描く方法と手順

スケッチブックを使ってイラストを描くと、自分だけのオリジナル作品が気軽に作れます。
必要な道具や手順をしっかり押さえることで、初心者でも楽しくイラスト作成を始められます。
用意するスケッチブックと画材の選び方
スケッチブックには紙質やサイズ、紙の厚さなどさまざまな種類があります。
イラストを描く場合、水彩やコピック、鉛筆、ペンなど使う画材によって適した紙が異なります。
鉛筆やシャーペン、ペンで描くなら、表面がなめらかな紙質を選ぶと線がきれいに出ます。
水彩やマーカーを使いたい場合は、厚めで水やインクが染み込みにくい紙が最適です。
初心者ならA4やB5サイズが持ち運びしやすく、描きやすいサイズでおすすめです。
- 鉛筆・シャーペン:スムース紙または中性紙
- ペン・コピック:アルコールマーカー用専用紙
- 水彩絵の具:水彩紙や厚手のスケッチブック
画材は、自分の描きたいイラストの雰囲気や手法に合ったものを選びましょう。
スケッチブックの下地作り
イラストをよりきれいに仕上げるためには、スケッチブックの下地作りが大切です。
まず、使用するページに不要なゴミやほこりがないかを確認しましょう。
必要に応じて消しゴムで軽く表面を拭き、手の汚れが紙につかないように気をつけます。
しわや折れがある場合は、定規などで丁寧にのばして準備します。
水を使う場合は、事前にマスキングテープで紙を固定するとにじみや紙の反りを防げます。
ステップ | ポイント |
---|---|
紙面の確認 | ホコリやごみを取る |
下準備 | 消しゴムや定規で整える |
固定 | マスキングテープで角を固定 |
イラストのラフスケッチ作成
下地ができたら、薄い鉛筆やシャーペンを使ってラフスケッチを描きます。
最初は細かい部分にはこだわらず、大胆に全体のバランスや配置を決めましょう。
モチーフが人物なら頭の位置や体の比率、背景もざっくり描くとよいです。
何度も消しゴムで直しながら、気軽に作業しましょう。
パースやバランスを意識して、複数案を描き比べるのも上達のコツです。
線画の描き入れ
ラフが完成したら、ペンや濃い鉛筆で線画を描き入れていきます。
本番線を描くときは、ゆっくりていねいな手の動きで輪郭や重要な形をしっかり写し取りましょう。
一気に仕上げず、細部ごとに分けると失敗しにくくなります。
線の太さや濃淡を意識すると、立体感のあるイラストになります。
ラフ線が残っても、後から消しゴムで優しく消せますので心配せず描きましょう。
色塗りのコツ
線画が終わったら、着色作業に移ります。
色を塗るときは明るい色から順番に塗り重ねると、きれいな発色になります。
まずベースカラーで全体を塗り、その上から影やハイライトを重ねるのがおすすめです。
水彩やマーカーは重ね塗りやにじみを活かすことで、やわらかい雰囲気を表現できます。
- ベースカラー(基本の色)を塗る
- 陰影や立体感を加える
- ハイライトや質感を調整する
失敗しても焦らず、少しずつ色を重ねていくのがポイントです。
仕上げと保存のポイント
イラストが完成したら、はみ出しやラフ線を消しゴムできれいに消します。
必要に応じてホワイトやジェルペンで細かい修正やハイライトを加えましょう。
完成した作品は、ページが擦れて色が移らないよう間にトレーシングペーパーを挟むと安心です。
直射日光や湿気を避けて保管すると、色あせや紙の反りを防げます。
大切な作品はファイルや専用ケースで保存し、いつでも見返せるようにしておくのがおすすめです。
イラストに適したスケッチブックの選び方

イラストを描くうえでスケッチブック選びはとても大切です。
自分の描きたいイラストや技法に合ったものを選ぶことで、制作がよりスムーズに進みます。
ここでは、紙質・サイズ・綴じ方のポイントからスケッチブックの選び方を紹介します。
紙質による描き心地の違い
スケッチブックの紙質はイラストの仕上がりに大きく影響します。
鉛筆やシャープペンを使う場合は、ややざらつきのある紙が定着しやすくおすすめです。
マーカーやインクを使いたい場合は、表面がなめらかでにじみにくい紙を選ぶときれいに描けます。
水彩イラストには厚みがあり吸水性の高い紙が最適です。
用途 | おすすめの紙質 |
---|---|
鉛筆・シャーペン | 中目(ざらざら) |
ペン・マーカー | 細目(なめらか) |
水彩 | 厚手・水彩紙 |
自分の描きたいイラストに合わせてぴったりの紙質を選びましょう。
サイズの特徴
スケッチブックにはさまざまなサイズがあり、それぞれにメリットがあります。
- B5やA5は持ち運びやすく、カフェや外出先でも気軽にスケッチができます。
- A4サイズは家庭用プリンターでもスキャンしやすく、自宅での制作や保存もしやすいです。
- B4やA3などの大きなサイズは、ダイナミックな作品や細かい部分まで描き込みたいときに適しています。
用途や持ち運びのしやすさを考えて、自分に合ったサイズを選ぶと制作の幅が広がります。
綴じ方による使い勝手
スケッチブックの綴じ方には「リング綴じ」と「糊綴じ」などがあります。
リング綴じはページが360度開くため、どのページでもフラットに描けて便利です。
糊綴じは1枚ずつきれいに切り離せるので、完成したイラストを額に入れたり、配布用にしたいときに向いています。
また、糸綴じのタイプは本のように開いて使うことができ、保存性が高いのが特徴です。
自分の制作スタイルに合わせて綴じ方も選んでみましょう。
スケッチブックで使える主な画材

スケッチブックでイラストを描く際には、多様な画材を使い分けることで表現の幅が広がります。
描きたいタッチや雰囲気に合わせて画材を選ぶのがポイントです。
初心者から上級者まで使いやすい画材を知っておくことで、スケッチブックの活用方法がより豊かになります。
鉛筆・シャープペンシル
スケッチやラフ画の基本になるのが鉛筆とシャープペンシルです。
鉛筆には硬さごとにH系、B系など複数の種類があり、線の濃淡や質感の調整がしやすいという特徴があります。
シャープペンシルは細かな描写や下書きに適しており、手軽さも魅力です。
種類 | 特徴 | おすすめ用途 |
---|---|---|
H系鉛筆 | 硬めで薄い線が描ける | 細部描写・下書き |
B系鉛筆 | 柔らかく濃い線が描ける | 陰影・強調ライン |
シャープペンシル | 手軽で細い線を引きやすい | ラフ・漫画下書き |
自分に合った鉛筆やシャープペンシルを見つけることで、より快適にイラスト制作が進みます。
色鉛筆
色鉛筆はイラストを彩るのにぴったりな画材です。
カラーバリエーションが豊富で、混色やグラデーションも表現しやすく、初心者でも扱いやすいと人気です。
描いた後にぼかしたり色を重ねたりできるのも魅力のひとつです。
- 鮮やかな発色でイメージ通りの色をだせる
- 芯がやわらかい油性色鉛筆や、芯が固めの水彩色鉛筆など種類が豊富
- 重ね塗りや、白色を下地にしたハイライト表現も可能
色鉛筆を活用することで、スケッチブックに奥行きややわらかさをプラスできます。
マーカー・ペン
マーカーやペンはシャープな線や鮮やかな着彩をしたい時におすすめです。
コミックイラストやデザインスケッチでよく使われます。
ペン先の細さやインクの種類によって描き味が異なります。
アウトラインの線画として使ったり、カラーマーカーで色鮮やかなイラストに仕上げたりもできます。
アルコールマーカーは、面を塗る際にムラになりにくいので人気です。
水彩絵具
水彩絵具は、透明感のあるやわらかな色合いが特徴です。
スケッチブックに直接水で伸ばして描くことで、繊細な雰囲気や風景画、人物画など幅広い表現ができます。
紙質によってにじみやぼかし効果も異なるため、いろいろな紙で試して楽しめます。
水彩色鉛筆や水筆ペンと組み合わせるのもおすすめです。
自分が使いやすい画材を試行錯誤してみることで、スケッチブックでのイラスト表現がさらに楽しくなります。
スケッチブックイラストの練習方法

スケッチブックを使ったイラストの上達には、日々の練習と自分なりのコツを取り入れることが大切です。
身近なモチーフを観察したり、クロッキーを取り入れることで観察力や表現力が高まります。
継続的に描く習慣を作ることで、イラストのレベルが確実に向上していきます。
モチーフ観察のポイント
まずは身の回りにある物や人物、風景などをじっくり観察しましょう。
観察する際は、形やバランス、光と影、質感に注目するとよりリアルに描くことができます。
観察した内容をスケッチブックにメモしながら描いてみると、気付きや発見が増えていきます。
以下のポイントを意識して観察すると効果的です。
- 全体のシルエットを捉える
- 特徴的なパーツに注目する
- 光の当たり方や影の形を確認する
- モチーフの質感や色みも意識する
クロッキーの取り入れ方
クロッキーとは、短時間で対象をさっと描く練習方法です。
動きのあるポーズや表情など、瞬間的な特徴を捉える力が身につきます。
まずは1ポーズあたり1分〜5分という短い時間を設定し、タイマーを使って描いてみましょう。
最初は上手く描けなくても気にせず、「描ききること」に意識を向けるのがポイントです。
クロッキー練習のメリットを以下の表でまとめました。
練習方法 | 得られる効果 |
---|---|
短時間クロッキー | 素早く全体像を把握する力 |
ポーズ練習 | 動きやバランス感覚の向上 |
表情クロッキー | 感情表現のバリエーション増加 |
日常スケッチの継続術
毎日スケッチを続けることで、自然と観察力や画力が上がります。
「一日一枚」を目標にするのも良い方法です。
忙しい日でも小さなスペースにサッと描く程度から始めましょう。
継続するコツをいくつかご紹介します。
- 専用のスケッチブックを用意し持ち歩く
- 描いた日付や感想を小さく書き残す
- 時間帯や気分でテーマを決める
- 友人と見せ合いモチベーションを維持する
このような工夫をすることで、スケッチブックイラストの習慣が楽しく続けやすくなります。
イラストを上達させるためのコツ

イラストをもっと上手に描きたいと感じたとき、基本をしっかり押さえて練習を重ねることがとても大切です。
自分のスケッチブックにたくさん描き込むことで、苦手な分野もしっかり克服できます。
ここでは、イラストが上達するために押さえておきたいコツを紹介します。
デッサン力の鍛え方
デッサン力を鍛えることで、イラストのバランスやリアルさがぐんと上がります。
まずは簡単な図形や身近なモノを観察して、形を正確にとらえて描く練習をしましょう。
観察力を養うことがポイントです。
下記は、日々のデッサン練習で心がけるコツです。
- 写真や実物をよく見て「どこがどうなっているか」を意識する
- 全体のアタリ(大枠)から描き始めて、細部を仕上げていく
- 一つのモチーフを色々な角度や明暗で描く
このように段階を追って練習することで、徐々に自分の絵が変わっていくのを実感できます。
構図の考え方
イラストを描く際に、構図を意識すると仕上がりがより魅力的になります。
画面のどこに何を配置するかによって、見る人への印象が大きく変わるからです。
よく使われる基本的な構図の例を下の表にまとめました。
構図名 | 特徴 |
---|---|
三分割法 | 画面を縦横3分割した線の交点にモチーフを配置。バランスがとりやすい |
対角線構図 | 画面の対角線に沿って配置。動きや奥行きを出しやすい |
シンメトリー構図 | 左右や上下で対称に配置。安定感や調和を表現できる |
構図を決める前に、どんなイラストを描きたいかイメージしてからラフを描くと、全体のバランスが整います。
色の使い分け
色の選び方や塗り方ひとつでイラストの雰囲気が変わるので、色使いも練習してみましょう。
色の使い分けには、次のようなポイントがあります。
- ベースカラー・メインカラー・アクセントカラーの役割を考える
- 色相環を活用して相性のいい色を選ぶ
- 同じ系統の色でまとめると統一感が出る
また、お手本にしたいイラストや写真の配色を観察して、自分の彩色に取り入れてみるのも効果的です。
最初は少ない色数でシンプルに塗るところから始め、徐々にバリエーションを広げていくことで、色使いにも自信が持てるようになります。
スケッチブックイラストの楽しみ方や活用例

スケッチブックイラストは、描くことそのものの楽しさに加えて、さまざまな方法で日々の生活や活動に活かせます。
アイデアを気軽に形に残せるので、表現の幅がぐんと広がります。
また、好きなときに描きためていくことで自分の成長や変化を感じやすく、長く続けるほど新しい発見も増えていきます。
作品をSNSで発信
自分のスケッチブックイラストをSNSで発信することで、多くの人と交流したり、共通の趣味を持つ仲間を見つけたりできます。
反応をもらえることでモチベーションも高まり、次の作品への意欲につながります。
たとえば、InstagramやTwitter、pixivなどはイラスト好き同士が集まりやすいSNSです。
- 自分の成長記録として投稿する
- 「#スケッチブックイラスト」などのハッシュタグを活用する
- 他の人の作品から刺激を受ける
SNS発信は気軽に始められて世界が広がる活用方法です。
ポートフォリオ作成
スケッチブックに描きためたイラストは、自分ならではの一冊のポートフォリオとして活用できます。
学校や仕事で作品例を見せたいとき、持ち運びやすく、ページをめくりながら自分の得意なスタイルや成長の過程をアピールできます。
スケッチブックは一冊の中で日付やジャンルごとにまとめることも簡単です。
用途 | メリット |
---|---|
入学・就職時の作品提出 | 自分の特徴や成長の過程が分かりやすい |
展示やイベントでの紹介 | その場でページを見せられるので注目されやすい |
趣味の程度をアピール | 一冊のまとまりとして見せやすい |
自作イラストのポートフォリオを通じて、自分の世界観や技術を効果的に伝えられます。
イベントや展示会への応用
スケッチブックイラストは、イベントや展示会でも活躍します。
たとえば、コミックマーケットやアートイベントでは、オリジナル原画や簡易作品集として見てもらうことができます。
参加者との交流を深めたり、作品に込めた思いを直接伝えるきっかけにもなります。
また、展示会ではお客さんから直接感想やアドバイスをもらえるため、自分の表現力をさらに磨く機会にもなります。
スケッチブックで描くイラストに迷ったときのヒント

スケッチブックにイラストを描こうと思っても、何を描いたらいいのか迷ってしまうことは誰にでもあります。
そんなときは、身近なものや気になるテーマを見つけたり、模写に取り組んでみるのがおすすめです。
自分に合ったアイデアの見つけ方を試して、イラストを楽しみましょう。
身近なモノを描いてみる
イラストを描く題材に迷ったときは、自分のまわりにあるものを観察してみてください。
例えば、机の上にある文房具や、お気に入りのマグカップ、観葉植物など、身近なモノは意外とたくさんあります。
以下のようなポイントを意識しながら描くと、新しい発見があって楽しめます。
- 形や質感に注目して描く
- 光と影の移り変わりを意識する
- 異なるアングルや構図でチャレンジする
身近なものは手軽に描けるだけでなく、観察力や表現力のトレーニングにもなります。
テーマを決めて取り組む
描きたいものが思い浮かばないときは、あらかじめテーマを決めて描くのも効果的です。
自分の好きな動物や季節、空想上のキャラクターなど、どんなテーマでも構いません。
テーマの例 | 発展のヒント |
---|---|
季節 | 春なら桜や新生活、夏は海や花火など風物詩を取り入れる |
動物 | ペットだけでなく、図鑑を見て珍しい生き物にも挑戦 |
食べ物 | 果物やスイーツの断面、好きな料理の盛り付けなどに注目 |
テーマを決めておくと、アイデアが広がりやすくなり、継続的に描く習慣にもつながります。
模写を活用する
好きなイラストレーターの作品や写真、絵本などを模写するのも、スケッチブックを活用するアイデアのひとつです。
模写を通じて、構図や描き方のコツ、色の使い方などを学ぶことができます。
特に初心者のうちは、自分が魅力を感じた作品を選ぶことで、モチベーションも保ちやすくなります。
最初はまねをするだけでも十分効果的です。
慣れてきたらアレンジを加えて、自分だけのイラストにチャレンジしてみましょう。
スケッチブックイラストを描く魅力と今後の広がり

これまで、スケッチブックイラストの描き方やコツについて紹介してきました。
スケッチブックは、誰もが気軽に始められるイラストツールとして多くの人に愛されています。
紙の質感やインク、鉛筆のタッチが直接伝わり、自分らしい表現を楽しめることが最大の魅力です。
また、持ち運びも簡単なので旅先や日常の中でも思いついた瞬間にスケッチできる自由さも人気の理由です。
最近では、SNSを通じて自分のイラストを手軽に発信したり、同じ趣味を持つ人とつながる機会も広がっています。
時代の変化にともない、アナログとデジタルを組み合わせた新しいスタイルも増えており、今後はイラストの楽しみ方がますます多様になるでしょう。
ぜひ自分だけのスケッチブックを手に取って、一歩を踏み出してみてください。