「横顔を右向きに描きたいのに、なぜかうまくバランスが取れない…」と悩んだことはありませんか。
左向きだとすんなり描けるのに、右向きにした途端に輪郭やパーツが歪んでしまうという声は少なくありません。
横顔の描き方で右向きに特化したコツや注意点を知ることで、その違和感や苦手意識は大きく改善できます。
本記事では、右向き横顔の特徴の解説から、描き方の手順、失敗しやすいポイント、上達のための練習法まで徹底的にご紹介します。
あなたも横顔を右向きに描くコツを身につけて、表現の幅を広げてみませんか。
横顔を右向きに描く方法の徹底解説

横顔のイラストは顔の立体感や骨格をとらえる力が必要ですが、正しい手順やコツを押さえることで初心者でもバランスよく仕上げることができます。
特に右向きの横顔は、普段とは反対の向きへの意識や、髪型・パーツ配置の左右差を意識することが大切です。
ひとつずつ手順をしっかり実践しながら練習していくことで、自然で説得力のある横顔が描けるようになります。
右向き横顔の特徴と描くときの注意点
右向きの横顔は、顔の左側ではなく右側、つまり顔が向かって右を向いていることが特徴です。
利き手が右利きの場合、線が流れる方向や、パーツの描きやすさに違いを感じることもあります。
右向きでは鼻や口元、あごなどがより強調され、目や耳の位置関係も左向きとは微妙に変化します。
髪型の分け目やクセ、アクセサリーの位置にも注目し、左右反転しないよう要注意です。
描きやすくなるアタリ(ガイド)のとり方
横顔をバランス良く描くためにはアタリ(ガイドライン)がとても重要です。
まず円を描いて頭部の大まかな形を決め、その円の横にあご先まで伸びるラインをプラスします。
次に顔の中央を分ける縦線(中心線)を引き、鼻や口の出っ張りを作るためのガイド線を足していきます。
- 円:頭の丸みを表現
- あごライン:円の端からなだらかに下げてあご先を決定
- 中心線:顔の中央を決める縦線
- 鼻・口のガイド:中心線の上に出す位置を定める水平線
あらかじめアタリをとっておくことで、顔のパーツ配置や頭部の立体感が掴みやすくなります。
パーツ配置とバランスのコツ
顔のパーツごとの位置関係を把握することが大切です。
横顔では、目・鼻・口・耳の高さが一直線に並びやすいので、ガイド線を利用して「目の高さ」「鼻の出っ張り」「口の開き」を確認します。
パーツ | 配置の目安 |
---|---|
目 | 頭部の中央やや下寄り、あご先と耳の間の2/3あたり |
鼻 | 円とあごのラインの出っぱり部分に接する |
口 | 鼻のすぐ下、あごに対して少し奥行きを持たせる |
耳 | 目と鼻の間の高さに配置、頭の後ろ寄り |
それぞれのパーツが自然に見えるよう、描写の段階で距離や角度に注意しましょう。
輪郭・頭部の線の引き方
頭部の輪郭は、最初にとったガイドラインをベースに自然なカーブを意識して線を引きます。
おでこから鼻、口、あご、首まで一筆で流れるようなラインが横顔の美しさを決めます。
頭頂部や後頭部は、頭蓋骨の丸みや髪型のボリュームを意識して厚みを表現しましょう。
あごや首のつながり部分、耳の後ろのラインなども忘れずに丁寧に描き足します。
目・鼻・口・耳の描写テクニック
目はやや細長く、まぶたやまつげの流れを意識します。
黒目は正面よりも幅が小さめに見えるので、奥行きを出すのがポイントです。
鼻は前方に突き出した部分を丁寧に表現し、鼻先の丸みや小鼻の凹凸も加えます。
口は唇の上下の厚みと、口角の角度を少しだけ上げて表情をつけましょう。
耳は目と鼻を結んだ線上に配置し、外周から内側のひだ(耳輪、対珠など)を順を追って描きます。
首・肩のつなげ方のポイント
首はあご下から自然なカーブを描いて肩へとつなげます。
首を細くしすぎると不自然になるため、頭部に対して程よい太さを残しましょう。
肩は首の付け根から外側へと滑らかに広げていきます。
特に右向きの場合、手前側の肩と奥側の肩の見え方の違いも意識してバランスを調整してください。
右向き横顔で失敗しやすいポイント
右向き横顔でありがちな失敗は、パーツの位置ずれやラインの歪みです。
特に鼻や口が出っ張りすぎていたり、あごが尖りすぎていると違和感があります。
耳の高さや大きさ、首と肩のつながりが不自然になりやすいので、ガイド線を何度も見直してください。
完成後は左右反転して確認するのもおすすめです。
初心者向け練習方法
まずは写真や他のイラストを見ながら模写を繰り返しましょう。
基本的なガイドラインだけ描き、そこにパーツを乗せていく練習が効果的です。
- アタリを描く→パーツを配置→輪郭と髪→細部仕上げの流れで練習
- さまざまな角度や年齢、髪型で繰り返し描く
- 時間をかけて観察し、ズレを直す癖をつける
自分自身の横顔を写真に撮って観察したり、鏡を使って表情の違いを確認してみるのもおすすめです。
右向き横顔が歪む主な原因

右向きの横顔を描く際に、思ったように仕上がらず歪みを感じてしまうことは多いです。
その主な原因を理解すると、正確な形を捉えやすくなります。
自分の描きクセや意識しづらいポイントにもアプローチして、理想の横顔を目指しましょう。
利き手による描きにくさ
多くの人は自分の利き手に合わせた線の動きをしやすく、逆側は描きづらく感じます。
とくに右利きの人が右向き横顔を描く場合、線の流れが手の動きと逆になるのでバランスを取りにくくなりがちです。
- 輪郭線が歪む
- 顔のパーツ配置が不自然になりやすい
- 細かい部分で調整しづらい
これらの要素によって、普段描きなれた左向きの横顔に比べて少し違和感が出やすくなります。
線の方向やカーブの苦手意識
右向き横顔では線を右方向へ引く場面が多く、手や指の動かし方に違和感を感じやすいです。
また、「このカーブは得意だけど逆側は難しい」と思うことが、無意識のうちに線の歪みに繋がることもあります。
線の種類 | 苦手になりやすい理由 |
---|---|
顎からおでこへのカーブ | 手首の動きと合わずラインがぎこちなくなる |
鼻筋の線 | 角度や太さを一定に描きにくい |
首~肩のライン | 滑らかな流れを意識しすぎて不自然に見える |
こうした苦手意識は、自分で何度も描く練習や、模写を積み重ねることで克服できます。
アタリ不足や骨格構造の理解不足
右向き横顔に限らず、アタリ(下書きのガイド線)をしっかり取らないと、顔のパーツのバランスが崩れやすくなります。
特に、鼻やあご、目の位置関係は立体的にとらえる意識が重要です。
また、骨格構造の理解が不足していると、パーツをきれいに配置できても顔全体として違和感が出てしまうこともあります。
以下は、アタリや骨格意識が不足した場合に起こりやすい失敗例です。
- 目と鼻の距離が不自然になる
- 頭の奥行きが足りず平面的な印象になる
- 耳の位置が高すぎる、または低すぎる
アタリや骨格を意識することで、右向き横顔でも安定したバランスで描けるようになります。
右向き横顔の歪みを直すテクニック

右向きの横顔を描く際、気を付けたいポイントのひとつが「歪み」です。
描き上げてから違和感を感じることも多いですが、いくつかの方法を知っていればバランスよく修正が可能です。
ここでは、右向き横顔の歪みを直すためのチェック方法や修正のコツを紹介します。
左右反転チェック法
自分の描いた右向き横顔が歪んでいないか確認したいときは、左右反転チェックが有効です。
絵を左右反転させて見ることで、バランスの崩れや違和感が見つけやすくなります。
アナログの場合は、絵を裏返して光にかざして透かして見ると反転チェックが可能です。
デジタルでは、画像編集ソフトの「左右反転」を使うだけなので手軽にチェックできます。
- 仕上げ前に必ず反転して確認する
- おかしな部分が見つかったらラフに戻して修正
- 何回か繰り返すことで自然なバランスになる
デジタル・アナログでの修正方法
右向き横顔の歪み直しには、デジタル・アナログでそれぞれコツがあります。
下記の表でそれぞれの方法をまとめました。
方法 | 特徴 | コツ |
---|---|---|
デジタル | レイヤー機能や変形ツールで部分的な修正が簡単 | 修正箇所を分けて新規レイヤーに描き直す |
アナログ | 消しゴムやトレーシングペーパーを活用 | トレーシングペーパーで反転写し修正する |
デジタルならパーツごとにレイヤーを割り、違和感のある部分だけを修正できます。
アナログでは、トレーシングペーパーで線画を写し取り、逆向きに反転してバランスを見直すと歪みに気づきやすいです。
アタリを描き直して修正するコツ
歪みが気になる場合は、アタリから描き直すと思い切った修正ができます。
まず、大まかな丸やガイドラインで頭と顔の向き・パーツ位置をあらためて描きます。
そのうえで細部を肉付けしていくことで自然なバランスに整います。
アタリを描く際は、次の点を意識しましょう。
- 頭部は球体+あご部分の楕円でとらえる
- 目・鼻・口・耳の位置のガイドラインを引く
- 各パーツがアタリから大きくずれていないか確認
- 大まかに全体を描き直し、バランスを調節
こうした手順で進めることで、右向き横顔の歪みを効率よく修正できます。
右向きでも自然に描くための上達練習法

右向きの横顔を自然に描けるようになるためには、日々の練習がとても大切です。
右向きだけでなく、左右のバランスをとることで画力が安定します。
模写やトレースで動きを覚えたり、実物や写真を観察しながら描画することも上達の近道です。
それぞれの練習法を取り入れ、自分の苦手やクセを発見しながらステップアップしていきましょう。
左右両方を交互に描く練習
右向きだけを描き続けると、どうしても偏りやクセが出てしまいます。
左右両方の横顔を交互に描くことで視点やバランス感覚が磨かれ、より自然に右向きが描けるようになります。
- 左向き・右向きを交互に描く
- 鏡を使ったり、左右反転した写真や絵を模写する
- 自分の描いた絵を左右反転してクセをチェックする
左右両方に慣れておくと、どちらの横顔でも安定して描けるスキルが身につきます。
模写・トレースで手の動きを覚える
お気に入りのイラストや写真を模写したり、トレースすることで、横顔のラインやパーツの配置のコツがつかめます。
最初はなぞるだけでも十分練習になります。
練習方法 | ポイント |
---|---|
模写 | 元絵をよく観察し、形を目で追いながら描く |
トレース | ラインの流れやパーツの場所を手で覚える |
模写やトレースを繰り返すことで、自然な右向きの横顔を描くための基礎がしっかりと身につきます。
写真や実物観察から描く
写真や自分、友達の横顔を観察しながら描くのもとても効果的です。
実物をよく観察することで、髪の毛の流れや顔の輪郭、パーツの位置関係を実感できます。
モデルがいない場合は、鏡に自分の横顔を映してみたり、身近な人の写真を撮って参考にする方法もおすすめです。
観察を重ねることで、頭の中に横顔の立体感や特徴がストックされていき、どんどん自然な右向きが描けるようになります。
横顔を右向きに描くときによくある質問

横顔を右向きで描く際は、左右のバランスや各パーツの配置に悩む方が多いです。
また、女性や男性で表現する上での違いや、髪型の工夫、キャラクターごとに個性を持たせる方法にもよく質問が集まります。
初心者から上級者まで、ちょっとしたコツを知ることで右向き横顔の描写力はぐんと上達します。
女性・男性で意識すべき違い
女性と男性の横顔を右向きで描く場合は、骨格や顔のラインだけでなく、細部の陰影にも違いが現れます。
女性は一般的になめらかな輪郭と小ぶりなあご、鼻筋を意識することで柔らかな印象になります。
一方で男性は、あごや額などの骨格をやや強調し、輪郭をしっかり描くことで力強さが表現しやすいです。
特徴 | 女性 | 男性 |
---|---|---|
輪郭 | 丸みを帯びている | 直線的で骨格が目立つ |
鼻 | やや小さめ、なだらか | 高めでしっかりしたライン |
あご | 小さく、少し尖っている | がっしりして四角い場合が多い |
唇 | 輪郭をやわらかく描写 | シャープなラインで描写 |
このように、パーツごとの特徴を意識して描き分けるのがコツです。
髪型のバリエーションを加える
右向き横顔は髪型次第で印象を大きく変えられます。
バリエーションを増やすためには、髪の流れやボリューム、分け目の位置を変えてみるのがおすすめです。
- ポニーテールやツインテールなど、動きがある髪型を選ぶ
- 前髪やもみあげの形状を変えてみる
- ショートヘア、ロングヘア、パーマなど長さやカールで個性を出す
髪の重なりや奥行きも大切なので、耳や首まわりの髪束の量にも注目してみてください。
キャラクターごとの描き分けポイント
キャラクターを複数描く時には、個性を際立たせるための描き分けが重要です。
例えば目元や眉毛の形、鼻やあごの大きさ、特徴的なアクセサリーやほくろを加えることで差を出せます。
少年と青年、老年など年齢層によっても顔のパーツの配置や輪郭の印象を調整しましょう。
また、表情の違いやほほのふくらみ、頭身の差も描き分けには欠かせません。
見る人にキャラクターそれぞれの魅力が伝わるよう、小さな違いを意識してみましょう。
右向き横顔の描き方をマスターして表現力を広げよう

右向きの横顔は、一見シンプルに見えても、バランスよく描くにはちょっとしたコツが必要です。
これまで基本的な顔や正面の描き方を学んできた方にとって、右向き横顔は新しい表現の幅を持たせる大切なステップとなります。
右向き横顔を描けるようになると、キャラクターや人物イラストに動きや個性を出しやすくなるのも魅力です。
どんな画材やイラストスタイルでも活用できるので、ぜひご自身の表現に取り入れてみてください。
この章の内容を参考にしながら、自分らしい横顔描写にどんどんチャレンジしましょう。